台所に立つことの動機は、やはり「お腹がすいた」、「おいしいものが食べたい」、それで十分なのだ。シャンソン歌手「藤原素子」が綴る、日々の、普通の食卓のレシピ

貧すれど鈍せず

「炊いたん」バリエ

前回の「野菜の炊いたん」は、一人暮らしにもまことによろしい。
白菜はもちろん、小松菜でも水菜でも、買った葉物野菜が冷蔵庫でシンナリし始めたら、即「炊いたん」にする。一度作って冷蔵庫に入れておけば、チンしても良し。鍋で温めても良し。毎日のお惣菜である。

油揚げも傷みやすいから、残った時は「炊いたん」に投入。しらすや桜海老でも、肉類、魚類、鮭缶でもキノコ類でもいい。冷蔵庫の整理にもなる1品。

バリエーションは無限にあるが、今回紹介するのは、これを利用した「麻婆白菜」だ。
作り置いた白菜の「炊いたん」にも飽きてきたころ思いついたメニュー。

熱したフライパンに油、豆板醤、にんにくのミジン、しょうがのミジンを順に炒め、白菜の「炊いたん」を煮汁ごと投入。ケチャップ、ネギのミジンも加えて、フツフツしてきたら水溶き片栗粉でとじれば出来上がり。冬には体が温まるホットな麻婆が嬉しい。

私はこれをご飯にかけて、白菜麻婆丼にする。お昼ご飯にぴったり。すき家で売り出したら、ベジタリアンに人気のメニューになるだろう。

もう一つ、お正月のお餅が残って困ったら、一口大に切って、油で揚げる。プクッとなったら油をきって「炊いたん」に入れてひと煮たち。野菜は何でもよろしい。野菜とお餅がからまって、本当に美味しい。鏡開きに是非どうぞ。


(2009.1.15)



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