台所に立つことの動機は、やはり「お腹がすいた」、「おいしいものが食べたい」、それで十分なのだ。シャンソン歌手「藤原素子」が綴る、日々の、普通の食卓のレシピ

貧すれど鈍せず

シャトルシェフ

その鍋は、結婚祝いに頂いた。
あの結婚はすぐに終わってしまったが、鍋はずっと使い続けている。

「真空保温調理器具」とあるが、なんだかよくわからない。要するに、じっくり煮たりする料理にはマコトに便利なものである。
少し値ははるが、それでも「取っ手のとれるナントカ」などというオカシなものを買うことを思えば安いものだ。

「取っ手のとれるナントカ」は使ってみるとわかるが、省スペースを追求するが故に、重大な欠陥を見逃してしまった。
重ねて収納した鍋の、一番下のフライパンをどうやって取り出せばいいのか。真ん中の鍋を使う時は?

鍋釜というものは、使いたい時にさっと取り出してパッと使えなければ意味がない。
メーカーはこの商品と共に、それぞれを収納できる棚のついた収納ケースを売るべきだ。これが省スペースとは逆の結果になることはこのさい頓着していられない。

‥断っておくが、これは私がバイト先で使用した経験で、決して自宅で使っているわけではない。


自宅で使っているのが、本題のシャトルシェフだ。

スーパーに行くだろう。
固い牛肉、鶏の手羽、豚のバラの塊など、安い時に買っておこう。すぐに使わなければ冷凍しておく。

これを炒めるなり揚げるなどしたら、この鍋の登場だ。

味付けしたスープでしばし煮て、保温容器に入れておく。その間に仕事に行っても構わない。帰宅するころには骨付き肉も、ほろりと骨から外れるくらいになっているからこれを煮詰めるつもりで火を入れる。
味付けは醤油味でも味噌味でも中華風でもいいわけだ。

風呂吹き大根なども上手にできる。温泉卵も成功率は100%。
なにしろふきこぼれる心配がない。忘れていても大丈夫(程度による)。

この章にもこれからしばしば登場してくると思う。是非ご購入をおすすめする。
なお、私とシャトルシェフとは利害関係はまったくない。

・・・と言いたいところだが、この鍋を結婚祝いにくれたのは、この鍋を作っている日本酸素鰍フ方だった。
ありがとうございました。



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