常に今までに無い新しい感覚でシャンソンを唄う「藤原素子」が考えるシャンソンについて、私的に語らせて頂きます

シャンソンについて

シャンソンって、あんまり馴染みのない人が多いかもしれません。
若い人からは、シャンソンって中国の歌?って聞かれたこともあるくらい。

そもそも、フランス語で「歌」のことを指すのだから、ロックでも子守唄でも、フランス語ではChansonとなってしまうわけ。
これを歌のジャンルの一つとして確立した日本人の感覚って、結構すごいと思う。 宝塚も一役かって、昭和の初めから歌われていたそうですが、流行ったのはやはり戦後のようです。
三拍子のリズムとか、アコーディオンの流れるような音色とか、すごく新鮮だったんだろうな。
でもなんといっても、歌の内容が日本人好みだったのでしょう。

若い人には、「大人の歌」と思われてるふしがあるけど、誤解かもね。
歌い手に「大人」の人が多いだけ。
シャンソンは人生だ!なんて豪語してる人もいるけど、そんな人は他のジャンルの歌を聴いたことがないんじゃないかしら。
「あやや」だって、人生歌ってると思うよ。

だたし、訳されたのがずいぶん前で、言葉が古臭い歌もあるのは事実。
そもそも日本語って人称を略すことが多いから、「私」「あなた」なんて出てくると、ちょっと違和感を感じたりもする。

15年ほど前、「悲しくてやりきれない」っていう、ザ・フォーク・クルセーダーズの曲を始めて聴いたとき、軽いショックを感じたことがあります。
こんなにストレートな言葉でいいの?って。
当時の歌謡曲って、回りくどい表現ばかりだったから。
これじゃ、訳詞みたい。でもなぜか、心に残る歌でした。

言葉の表現って、時代時代でめまぐるしく変わるもの。
一つの歌を、いろんな人が訳してたりするし、自ら訳しちゃったりする歌い手さんもいる。
私も、日本語で歌うシャンソンについて悩んだ時もあったけど、たぶん、どの訳詞も正解なんじゃないかな。
同じ言葉を使っても、それぞれの表現があるんだもの。

とかくドラマティックなものばかりがシャンソンだと思われがちだけど、もっと私たちの日常に近いものを歌ってる歌もある。
けっこうシャンソンだって、懐深いのよ。


当サイトへのリンクはご自由に
http://motokoclub.net/
藤原素子 Official Web Site リンクバナー