不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#563 イニシエとイマ
2011年03月02日(水)01時07分
料理の本をもらった。

一冊は、昭和50年代に発行されたらしき、ぶ厚い立派な本。
写真もレシピも本当に古くて、思わず笑ってしまうが、医食同源をコンセプトにした、栄養学にのっとった真面目な料理本なのだ。
「鯵のつみれ汁」、「揚げ出し豆腐」など、オーソドックスな和食のレシピに加えて、「さばのプロバンス風」だとか、「たこのスペイン風」、「コーンスープ」とか、やたらハイカラなメニューが目立つものの、調味料を見ると、いわゆる『さしすせそ』以外は、ほとんど使われていない。せいぜい胡椒とマヨネーズ、ケチャップ、あとマーガリン(!)。涙ぐましい。
西洋料理や洋食が、一般の家庭の食卓に普及するようになった時代なのだろう。その様がなんとなく想像できるような気がする本。値段がなんと3千円也。当時としては高級書物だ。ハイソな家庭の奥さんが買ったのか。

一冊は、和食の料理長が監修した、おもてなしに関する本で、あと一冊は、懐石料理の本。
こちらは比較的新しいものの、プロの料理人が読む専門書のような赴き。なかなか読みごたえがある。懐石の本などは、すべてが7人前のレシピ。ちょっとした驚きで楽しい。

この節、料理のレシピも、やたらと「簡単」、「クイック」、「お手軽」といったものばかり。そんなものを集めて『創作料理』などと看板を掲げた店も乱立する傾向にあるが、まったく感心しない。
本当の「もてなし」や「しきたり」などは、そう一朝一夕に出来るものではない。
コトコト何時間も煮込むとか、何年も熟成させるとか、そんなのが、本当に大切なことに思えてきてしまうのだね。

人間も同じだね。


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