日々の出来事 〜Diary〜
#537 Fetishism その2 2011年01月07日(金)11時31分
中学生の時、クロッキー部に入部の希望を出した。 結局希望したのは私ひとりだったので、クロッキー部というものは実現しなかったが、いたずらで多く描いたのは、自分の手だったと思う。一番身近で、手軽なモデル。思えばその頃から「手フェチ」だったのかもしれない。 手のひらの大小、厚み、指の長さ、節、爪、感触・・・。手は千差万別だ。どんな人かと、つい、相手の手を見つめてしまう。「手は口ほどにものを言う」とは私の持論だが、ゴッホは、『じゃがいもを食べる人々』を描くにあたって、農夫の手のデッザンを数多く描いたという。仏像だって、お顔と同じくらいに、手の表情から伝わるものが多い。 こうして長年の観察により、手や指を見ると、なんとなくその人となりがワカル、ような気がするまでのマニアになった。 肝心の私の手はというと、だんだんとシワも増えてきた。そのうち私のおばあちゃんと同じような、クチャクチャな手になってゆくのだろう。 今も、ビールの王冠でついたキズ、ワインオープナーのケガと、なまキズが絶えない。昔の彼にもらった指輪の痕は、何年たっても消えない。 私の手が物語るものは、「間抜けなうっかりさん」といったところか。
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