日々の出来事 〜Diary〜
#789 じっと手を見る 2014年11月10日(月)03時06分
私の手は大きい。指が長い。爪も長くて大きい。付け爪を施していたこともあるが、ネイルサロンの人に必要ないんじゃないですかと言われて止めた。 若い頃は、手タレになったらと言われたこともあったが、いつだか知らないうちについたやけどのような小さな傷があり、その道に進もうとは思わなかった。 傷は他にもあって、中学生の時だったか、ドラマーに憧れて雑誌を相手にスティックを叩きまくっているうちに、親指の付け根の皮が破れて傷となった。思春期の夢を、厳格な家庭で封じ込められていた中で反発した自分への、まるで勲章のように、その傷を誇りに感じたことも、もうずいぶんと過去のものとなった。 いま気がつくと、長年残っていたその傷も、いつの間にか消えている。その代りに、若い頃にはなかった小皺が無数に走り、指の節は醜くたわみ、手の甲の血管という血管は、まるで木に巻きつく植物のように浮き出て、その年月の重さを見せつけているようだ。 手の年齢は隠せないと言われる。こうして人は、老いというものを受け入れてゆくのだろう。そして命の終わりを考えては、今日生きた証をどうしようもなくかきあつめて、この手に握りしめたりするのだろう。
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