日々の出来事 〜Diary〜
#752 Foujita 2012年09月03日(月)01時18分
藤田嗣治は、日本人でもっとも好きな画家の一人だ。 と、書きながら、藤田嗣治を日本人と言っていいか迷う。倉敷の大原美術館では、西洋美術の部屋に展示されているし、「藤田」というより、「フジタ」と書く方がしっくりくるだろう。 先日の日曜美術館では、フジタの戦争画を取り上げていて、興味深く見た。 当時、パリでもっとも有名な日本人と言われたフジタ。独特のヘアスタイルとロイド眼鏡。時代の寵児と呼ばれた彼は、日本でもっとも誤解された画家の一人だったかもしれない。番組では、戦後、戦争画を描いたことで糾弾されたことには触れなかったが、他の、同じように戦争画を描いた画家たちに対する非難を一人で背負う形でパリに戻り、日本には二度と戻らなかった。 乳白色の肌の裸婦、ネコの素描、戦争画、宗教画、子供たち・・・。私自身、あちこちの美術館で彼の作品を多数観てきたが、さまざまなモチーフの中で、一貫して迫ってくるものがある。すなわち、「自分だけの表現への情熱」だ。 誰の真似でもなく、誰にも真似の出来ない独自の世界。華やかな社交界でも、一杯の酒も飲まず、帰宅後は一心不乱にキャンバスに向かった。彼の絵の魅力は、根底にある誤解に基づいているのかもしれない。 敬虔なクリスチャンであり、晩年ランスの礼拝堂のフレスコ画を完成させた。まだ見ぬこの教会を訪れることを夢に見るのである。
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