不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#729 セザンヌ
2012年04月26日(木)13時08分
国立新美術館のセザンヌ展へ。
ずっと気になっていたのだが、あやうく見逃すところだった。
集めに集めたり、その数90点。いながらにして、これだけのセザンヌを見られるまたとない機会だろう。
成功を夢見て、当時印象派の華やかなりしパリに出たセザンヌは、最後まで田舎者のコンプレックスをぬぐい切れずにいたのだと思う。晩年は故郷の南仏で孤独な制作を続けた。生前、世に認められなかった巨匠の一人だが、画家たちからは信望を受けていた。ピカソに至っては、セザンヌを「唯一無二の師」と言っている。
モチーフは多彩。屋外、室内、あらゆる実験的手法を、コツコツと探求していたことが、作品を見ていくと、じんと伝わってくる。真面目で真摯な姿勢。色がいい。無造作に見える中に、計算された均衡が保たれている。
決して天才ではなかったセザンヌ。努力するということの値打ち、模索するという美しさに、誰もが心うたれ、励まされるのだろう。


当サイトへのリンクはご自由に
http://motokoclub.net/
藤原素子 Official Web Site リンクバナー