日々の出来事 〜Diary〜
#639 玉子焼き 2011年08月15日(月)01時44分
玉子焼き器を買った。 使っていたテフロン加工のフライパンのコートがはがれてきたので、鉄のフライパンに買い換えることにした際、ついでにと買ったものである。
実は玉子焼き器には、並々ならぬ思い入れがある。 料理上手な母がお弁当に入れてくれたのが玉子焼き。高温に熱したところに卵を流し入れて、手早く作る。表面は少しゴゲて香ばしく、中心はトロトロの半熟。子供の頃、お弁当のフタを開けると、決まってこの玉子焼きの匂いがしたものだ。
大人になるにつれ、玉子焼きはイコール、温かな家庭と、そして子供へ注ぐ愛情の象徴のようになった。 いつの日か、自分の子供に玉子焼きを入れたお弁当を持たせる。家庭を持った暁には、玉子焼き器をいよいよ買って、母のような玉子焼きを作るのだと。
料理をずいぶん作るようになったが、ただ一つ、今まで作らなかった玉子焼き。 ついでに買った玉子焼き器も、ホントウのところ2ヶ月ほど放置していた。
今宵は満月。黄色の月を眺めたら、なんだか発作的に玉子焼きを作りたくなった。
手順は頭の中で幾度となくシミュレーションしてきたせいか、あっけないくらいキレイな玉子焼きが完成した。 今まで固執していたものが、氷解するほどの出来上がり。
一人でも、玉子焼きを作る覚悟が、やっと出来たものだ。
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