日々の出来事 〜Diary〜
#633 夜の訪問者 2011年07月30日(土)10時26分
近頃、毎夜のように我が家を訪れるものがいる。 近所で飼われている猫らしい。網戸越しに、ウチの猫、マッコリが鳴くのである。 その訪問者は、3週間前に死んだモトちゃんと似てなくもないものの、物哀しいマッコリの鳴き声には、ちょっとやられてしまう。今までこんなふうに鳴いたことがあったっけ。
たぶん、ヒトが亡くなった時もそうなんだろう。 当初は平気だと思っていても、そのうちにシンシンと、悲しみが静かに沁みてくる、という感じ。
私はといえば、忙しさがひと段落して、録画したドラマなんかを、また見てみたりする。 4月なのだろう。CMも、地震の悲壮感がまだ色濃くて、ちょっとびっくりする。 そう思ったら、今やずいぶん「時が過ぎた」ものだ。
忘却という、最高のツールを人間は持って生まれた。 それでも、湖の底から湧き出た泡のように、時おりふと、その姿を見せる。 寂しさを前に、ヒトは呆然とするだけなのだね。
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