日々の出来事 〜Diary〜
#610 歌川国芳 2011年06月17日(金)03時01分
原宿・太田記念美術館へ行く。浮世絵専門の美術館というので、いつか訪れたいと思っていた場所だった。
歌川国芳! 北斎や広重と同じ時期にいた絵師だが、二人に比べると、当時その評価は高くなかったという。 奇想天外。反骨。風刺・・・。これだけエネルギッシュになるには、どれだけの苦悩を背負わなければならなかったのか。 作品を見るにつれ、写実と、デフォルメが、緻密に計算された世界にハマっていくのである。
意外に思ったのは、作品のサイズの小さいことだ。 内容の精密さ、表現のダイナミズムからすると、もっと大きなものなのだろうと、勝手に想像していたのだった。 そういえば、先日訪れたクレマチスの丘の美術館でも、広重の東海道五十三次を見たのだが、浮世絵のサイズというものはそんなもんなんだね。そこをハミだしたくて、国芳のように3枚綴りにしたり、北斎だって、枠からちょっと出ちゃったりしてる。 同じクレマチスの丘で見たベルナール・ビュフェは、大きな作品に至っては脚立に乗って描いたというが、それと対照的なミニマムな世界だ。 もっと詳細を見たいと近寄り過ぎて、何度もガラスにオデコをぶつけてしまった。
猫好きの国芳。 いたるところに猫が描かれている。 この猫、どこかで見たと思って気がついた。藤田嗣治の猫なのだ。 思わぬところで、FOUJITAと、浮世絵のつながりを発見したのであった。
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