不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#549 私の好きな道
2011年02月06日(日)12時21分
近所に、好きな道がある。
車一台がやっと通れるくらいの細い通り。どこの住宅地にもあるような、なんでもない道。
買い物に行く時や、仕事に出かける時、決まってこの道を通る。

カエデの木が、道の両側に等間隔に植えられている。
春には、控えめながら花をつけ、やがて鮮やかな薄緑色の若葉を芽吹かせる。秋にはちゃんと紅葉して、冬は葉を落とす。私がここに越して来たときは、ほんの細い幹だったのが、気が付くと、それでもずいぶん太くなったように思う。
ハッサクの実が成っている庭もある。アイビーに覆われている塀も、今の時期はどこか寒々しい。わずかに都会の季節感を感じるわけである。

それよりも、私がこの道を好きな一番のわけは、そこに遊ぶ子供たちだ。
道の脇に何軒かの建て売りの住宅が並んでいる。そこでは、子供たちを外で遊ばせる方針なのか、極寒の日でも、灼熱の日でも、子供が道に出て遊んでいるのだ。もちろん母親も付き添っていて、ゴムボールや三輪車などで遊ぶ姿が見られる。
子供や家族というものを持たないことに、ある種の罪悪感を抱えている自分がいる。いつの間にか、そんなことから目をそらすことにも慣れてしまった。
私が夜中に帰宅すると、道には、子供たちが書いたチョークの跡が見える。懐かしい「ケン・ケン・パー」の遊びの名残りが、夜の道をひっそり歩く私の心を、それでも少しだけ和ませてくれるのである。


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