日々の出来事 〜Diary〜
#516 熱涙なれど 2010年11月20日(土)23時45分
見よ。 またあの悪魔がのぞいている。 どれほどの闇を背負っているのか、どれほどの光を渇望しているのか、またしても思い知らしめようと、あの黒いものが狙っている。 それはいつでも私の隣にいて、スキあらば黒い世界にひきずりこもうとしているもの。 それに気付かないふりをして、はぐらかしたり、笑い飛ばしたりするのに、あんなにも終始していたはずじゃないか。 それがどうだ。 鏡の中の私は、すでに罪人の様相だ。 屠所の羊のようにウロウロと歩き回ったり、soraを仰ぎ見たり、号泣して目覚めたりと、屈託して止まないのである。 この結末もわかっている。いつだってこの末路は決まっていて、まるでそこに辿り着くために踏み出したようなものだ。 それでも、この凶暴な夢想には金輪際抗えないのも、また知っている。いや、むしろ進んで受け入れたのではなかったか。 いっそのこと、沈むところまで沈んでしまって、絡みつく藻に身をまかせながら、届かない陽の光を、暗い水底から仰ぐ寂寞をひとり享受し、こんどこそ孤絶した天地へ辿り着きたいと願うのである。
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