不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#497 黒門亭
2010年07月25日(日)01時51分
ビアンカライブを終えてひと段落〜。
ここのところ、本番に追われてなんとなく気ぜわしい日々だったので、今日は余暇を楽しむつもりで、上野の黒門亭に落語を聞きに行く。
最近、近所の寿司屋で知り合った柳亭市江さんという二ツ目の噺家さん。長年の素朴な疑問だった手ぬぐいのたたみ方などに、丁寧に答えてくれる好青年でありました。
思えばナマ落語を聞くのは久しぶりで、「猛暑のなかをお出でいただきまして・・・」などと、リアルな話し始めだけでもワクワクと胸躍る。
畳敷きに高座、座布団が並んでいるだけの狭い空間。思い思いに座ってくつろいでいるお客さんにも、「落語が好き」という共通の雰囲気が漂っていて、湯にでもつかっているような心地よい時間でした。
そういえば、こんなにどっぷりと観客の立場にいられるのは久しぶり。コンサートに行っても、芝居や映画を見ても、常にステージに立つ側のことを考えずにはいられない。我ながらイヤな習性だが、落語に関してはまったくの素人の、一観客で居られるのだ。何かが解き放されていくような気持ち。
音楽にしろ、映画にしろ、提供する側は、どこかで「感動してもらいたい」、「感心してもらいたい」というのが本音だろう。涙が止まらない、3Dで驚いた、抱腹絶倒・・・。そんな感想が、否が応でも求められる現在のメディアと、落語は一線を画している。
江戸の笑いは独特で、「起承転結」ならぬ「起承転転」だと、故杉浦日向子さんが言っていたが、オチと思いきや、ふっと肩すかしをくらう。ニヤリとする。こんなのが落語の魅力なのだと思う。


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