不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#495 Hokusai!
2010年07月12日(月)02時18分
一番好きな画家は、と問われて、長い間ピカソと答えてきた。
今はそれが、葛飾北斎と答えるだろうと思える。江戸マニアもいよいよ極まってきたか。
今年6月は、生誕250年なのだね。
NHKの日曜美術館は毎週楽しみに見ている番組で、今は再放送も含めて二週に亘って見ることが出来る。構成作家、効果音、ゲスト、すべてが相まって、画家のリアリティが伝わってくる、実に良く出来た番組だ。再放送も含めて、北斎の魅力に圧倒されてしまった二週だった。
葛飾北斎。世界中で天才と呼ばれる人の一人に挙げられる画家。
人生わずか50年と言われた頃、遊女の平均寿命が20代前半と言われた時代、90歳の長寿を誇った。ピカソは92歳没。「長生きも才能のうち」と言うことなのだろう。作品の多量さ、探究心、オリジナリティなどにおいて、天才たる要素が共通している。
私が初めて北斎と接したのは、杉浦日向子さんの漫画だった。『百日紅(上)(下)』(ちくま文庫)
北斎の日常が、生き生きと描かれている彼女の代表作だ。江戸を愛し続けた日向子さんが探求した北斎に、今やっと多くの注目が集まっているわけだ。その日向子さんも、今はもういない。
因みに、「漫画」という言葉の語源は、「漫然と描く」という北斎の言葉から生まれたと言われる。その遊び心、躍動するリズム。アニメーションのすべての原点が北斎の作品にある。
アニメーションだけではない。CGにも3Dにも、たちうち出来ない表現が、北斎の時代にすでに完成されていることに、驚嘆せざるを得ない。
やはり我々は、進化ではなく、後退しているのだろうか。為政者トップの座が危うく迷走している中で、ますます江戸回帰を夢見るのである。


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