不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#474 ルーブル千秋楽
2010年02月27日(土)11時51分
ルーブル閉店の日。
60年という長い歴史の幕を閉じた日。
常連のお客様とメンバー全員が集合。さぞやドンチャン騒ぎ・・・と思いきや、意外にもシーンと、一曲一曲に目をつむって聴き入っているお客様。この場所で過ごした年月を思い出しているのだろうナァ。予定の時間を過ぎても歌は尽きることなく、それぞれ終電の時間が来るまで別れを惜しんだ。
私はと言えば、未だに実感がない。来週にはまたルーブルに出勤して歌うのだと、どこかで思っていたりする。
楽しいこともたくさんあったことはもちろんだが、正直ツラい思いもあった。なにより音楽に対して、鈍感になってしまわなくては勤められない環境だった。より良い提案をしたつもりが、逆恨みをされることになった。わかってほしいと訴えては、何度も泣く結果となった。悲しくて、悔しくて、出勤した日は悶々と眠れない夜が続いたこともあった。
それでも支えられたのは、本当にルーブルを愛してくださったお客様。たくさん勇気をいただきました。
新しいこと、そして守るべきことを、もっともっと提案をし続けていったならば、この結果にはならなかったのだろうか。そんな夢のようなことを考えながら、やはりこれは、あるべき必然だったのだと言い聞かせる。
それはそうと、先代のマスターはどうしているだろうか。現在のママに店を譲られて引退されてから、何年も私がご自宅へ掃除に行っていた。このマスターには、どれほどお世話になったかわからない。いつもスーツに帽子。ハイカラで、銀ブラを地で行く粋な人だった。
95歳を過ぎるころ、だんだんと物忘れがひどくなって、姪の方に引き取られた。以後、消息は不明だ。生きていれば98歳になるはずだが、いつも私を励まし続けてくれたことを忘れない。辞めようかどうしようかと思った時、心を救ってくれたことを忘れない。
そのマスターも、当時、数え切れないねェと言っていたたくさんのメンバー。
偉大なる先輩たちも、ルーブルを去っていった人も、お世話になったギタリストたちも、本当に夢のような時でした。まさに、『IL EST TROP TARD』(時は過ぎてゆく)の心境です。
昨日は、長年使ってきた譜面ファイルと、アンチョコ用の歌詞ノートなどを持って帰りました。ごらんのとおり、歌詞ノートはボロボロ。入った当時は、コピーやパソコンなどというアイテムとは無縁の時代でしたからね。ちなみに昨夜ルーブルで撮った写真は、ほとんどが手ブレで全滅でした。こんなのが、ルーブルでした。


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