日々の出来事 〜Diary〜
#471 ルーブル閉店 2010年02月16日(火)01時54分
長年歌ってきた銀座「ルーブル」も、いよいよ閉店まで10日・・・となった。 このお店については語り切れない。私の半生を共にしたお店と言っても過言ではない。 以下は、後援会ニュースにも掲載したもの。
十数年というもの、毎週出演してきた銀座の店が、いよいよ2月末で閉店することになりました。 店名は「ルーブル」といいます。といっても、パソコンで検索しても何も出てきません。先代のマダムとマスターが、いつ始めたのか定かではありません。たぶん60年より以前のことだと思います。マダムは20余年前に亡くなり、マスターもご高齢のため、現在のママに店を譲られ引退なさいました。 出し物は主に昭和のナツメロ。大正の歌もありました。田谷力三、岡晴夫、藤山一郎、古賀政男、エノケン・・・ロシア民謡もドイツ・オペレッタも、この店で教えてもらいました。 もちろんシャンソンとの出会いもルーブルでした。マスターが、「あんた、『枯葉』なんか歌ってみたら?」と言ってくださったのです。歌い始めたものの、あまりの自分の歌のヘタさが恥ずかしくてレッスンも受け始めたのが、遅蒔きながら私の音楽のスタートでした。 かつて「銀座の社交場」と言われ、数々の著名人、芸術家、政治家たちがこぞって訪れた店。一切の広報をせず、マイクもなく、スポットライトもなく、ただ歌声と「塩豆」だけを提供してきた店。 私の歌を、「ニュージャンル」と称してくださる方がいます。温故知新を旨としながらも、常に現代を生きていかなくてはならない。シャンソンだからこそ、いっそう戒めていることかもしれません。古いもの、既存のもの、定められたことには、人はあっという間に慣れてしまうものです。 不況と言われる中、出来る限りのあらゆる努力を重ねている人を知っています。築いたものにとらわれず、更なる前進を求める人々がいます。尊敬する友人がいます。共に喜びを分かち合うことが出来る仲間がいます。 長年通っていただいたお客さまに感謝しつつ、変化していく世の中に、常に敏感に対応していくことの大切さを忘れないようにと、思いを新たにしています。
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