日々の出来事 〜Diary〜

#444 ダン

2009年09月28日（月）16時36分

欠かさず見るテレビ番組がある。日曜日午前の「食彩の王国」。
毎週ひとつの食材をテーマに、様々な角度から綴る。栽培、収穫、調理法はもちろん、それに関わる人々のルーツや息遣いまでも描く、大変見ごたえのある番組だ。
料理と、それを食べることを趣味とする私には、大好物の映像オンパレード。それに加えて、その食材について記した作家や俳人などが登場する。タマラナイのである。
おそらく番組の立案者かディレクターは、大変な壇一雄ファンだ。
壇一雄のことは過去何度も書いた。私が一番敬愛する作家である。書くこと、生きること、旅すること、食べること・・・オソレオオクモ、彼に憧れてつながっているようなものだ。
さて、先日放映の「食彩の王国Special」は、ポルトガルだった。
ポルトガルといえば、訪れたい国のひとつ。両親が旅して惚れこんだこともあるが、それ以前に、世界中を訪れた壇一雄が、とりわけ愛した国だからである。壇が滞在した場所や通りが残されているという。番組でも、彼の軌跡を辿ったり、親交のあった人々に話を聞いたりしていて、ますます壇とポルトガルに思いが募るわけである。
イワシやタコなど、日本人には馴染みの食材がふんだんにあることも、彼をとりこにした理由のひとつであるだろうが、考えてみるとポルトガルは日本と最初に貿易をした国だ。先日訪れた江戸東京博物館でも、ポルトガルとの交流を描いた展示物があった。ポルトガルが語源の外来語もたくさんあって、知らず知らず使っているわけだ。
スペインよりも、少し田舎臭くて素朴な国。今日はタコのマリネでも作ってみようか。