日々の出来事 〜Diary〜
#416 桂まん我さん独演会 2009年05月10日(日)17時32分
桂まん我さんの10周年独演会へ行く。 日頃寄席に足を運ぶ時間がなくて臍をかむ思いなのだが、この度は知人にチケットをいただいたので、前々から楽しみに予定していたものだ。 考えたら、1人で何かを見たり聞いたりしに出かけることも久しぶり。いい気分で内幸町ホールへ。 正直、上方落語というものは江戸ものほど好きではない。 CDで聴くには聴くのだが、少し上方言葉がウルサく聞こえることもある。まして若手の噺家ということなら、あまり期待しない方がいいかなくらいに思っていたが、どうしてどうして、なかなかの噺家さんだ。 まず顔がいい。愛嬌があって華やかだ。笑うとなんとも言えず親しみがわく。枕をしゃべり始めても、まったく気負いがない。自然にこちらの心が開いていくのがわかる。 ゲストも挟みながら、「青菜」、「桜の宮(江戸では「花見の仇討ち」という)」と続く。 「青菜」は私の好きな噺だ。ポピュラーな噺だけに難しいと思っている。主人公の植木屋夫婦を、あまり下品に演られるとちょっと困る。かと言って粗忽ぶりを演じなければ話は成り立たない、その中間のところに、噺家の本音が表れると思う。まん我さんは、さすがの大阪の軽いノリで植木屋の遊びにして成功している。 仲入り後、「しじみ売り」。トリにふさわしい人情噺だ。話がろくに進んでいないうちから泣けてしまった。 ナマの落語を聞く嬉しさ、客席の他の観客と一緒に楽しむ喜び(普段は孤独に楽しんでいるものですからね)などが相まって、本当に幸せな気分になって帰路に着いた。 10周年と言ってもまだまだだと言う。確かに噺家としては若手の部類に入るだろうが、ベテランの模倣ではないものを感じる。土台を築くことが大事だと、師匠に教えられたとのこと。 楽しみながらも、つい我が身を振り返ることであった。
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