日々の出来事 〜Diary〜

#411 桜のような人

2009年04月10日（金）23時41分

世間では桜が満開のようだが、今年は残念ながら花見をする時間がまったくない。
レッスンに行った山梨で、かろうじて散り行く桜を眺めることができた。気が付けば季節は一気に春へと突入していた。
ここのところ、短期のアルバイトをしている。
ライブもこの2ヶ月ほど間が空いているので、働けるだけは働いておこうという心持ちだ。
お蔭でいろいろな人との出会いがある。
今バイトしているレストランで出会った女性。20歳代の彼女はそこの社員で、初日からひとつひとつ仕事を教えてくれている。
もの静かで楚々とした雰囲気だが、今まで出会った人でこれほど強く、しなやかで心優しい人を知らないかもしれない。
考えてみれば、私はずっと特殊な環境での仕事が多く、出会う人といえば役者だったり歌手やミュージシャンだったり、そのお客さまだったりして、いわゆる普通の仕事をしている人とは隔絶したところにいる。まして、その仕事をする場面と接する機会が少ないわけだが、世間には、彼女のように若くして経験を積み、きちんと自分と向き合っている人がいるのかと思うと、風来坊さながらの我が身が情けなくもある。
尊敬できる人と一緒に仕事が出来る喜びも感じていると同時に、世の中捨てたものではないと、希望を抱くことができた春となった。
やっぱりたまには世間の風に吹かれて、花を愛でる気持ちを思い知ることも必要だ。そのバイトも今月限り。春は別れの季節でもあるが、彼女のことはしばらく忘れられそうにない。