日々の出来事 〜Diary〜
#407 流浪の民 2009年03月16日(月)00時33分
今年になって面接に行ったり知人に頼んだりしているうちに、いろいろな仕事を引き受けることになった。結果、収入の有無を別にすると計7つ以上の職種?をこなすことになり、我ながらあきれかえった次第である。 レストランのバイトはそのうちの一つ。働き始めて1ヶ月半たった今日、なんでも親会社が変わったとのことで人件費削減を迫られ、派遣切りに遭ってしまった。 そう、私は派遣会社に登録して、そこから派遣されてレストランで働いていたのだ。 最近のフード業界ってそういうシステムになっているんだね。現に、先日は急に欠員がでたとのことで、まったく別のレストランで一日だけ派遣されて働いたことがあった。 派遣システムにも驚くが、レストランで働き始めて、今まで社会というものからまったく隔絶された生活を送っていた自分にも驚く。 外食をしないので、昼時レストランなどという場所にも行ったこともなければ、ランチをとるサラリーマンなどという人たちに触れることもなかった。お客さんの中には、会社が近いランチの常連もいれば、外回りの途中なのか何となく通りかかって入ってくる人もいる。世間の人はこうして昼食をとりながら働いて、生きているのか。 最近、久しぶりに沢木耕太郎の『深夜特急』を読み返していた。 アジアからヨーロッパへ入ったある都市で、観光客や通勤人という光景を目の当たりにして驚くくだりがあった。「これまで、バックパッカーの相手をしてくれるのは老人か子供だけで、通常仕事をして生活している人などとは無縁だった」とのこと。 『深夜特急』は過去何十度となく読み返してきたが、この部分がこれほど胸に迫るのは初めてで、さしずめ私などは、流浪の旅を続けている浮浪者に等しい。「歌を歌う」という指針がなければ、彷徨ったあげくに崩壊してしまっていることだろう。 旅の後半、何のために旅を続けているのかと逡巡し模索するシーンが、妙に心に突き刺さるのである。
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