日々の出来事 〜Diary〜

#346 プチプチカミングアウト（その5）

2008年08月03日（日）20時18分

世界には、いろいろなベジタリアンがいる。
環境のために肉を食べない人。
動物のために肉を食べない人。
健康のために肉を食べない人。
その他、宗教上の理由で、制限のある人がいる。
ムスリムは豚肉を食べない。私はトルコが大好きでトルコ人と話すこともあるが、トルコはイスラム圏とは言え、宗教分離なのでその話は興味深い。
まず、イスラム圏では、フツーに豚はいないし、豚肉は売っていない。魚を食べる習慣のない国に、魚を売っていないのと同じだ。ないので、目にすることもないし食べる機会もない。不浄とされている以前に、食べる習慣がない。日本人が犬や猫を食べないのと同じことである。
日本に暮らすトルコ人の知人は、一日5回の礼拝についても、豚肉についても、寛大な人が多い。いろいろ話すうちに、ある人が言ったことは衝撃的だった。曰く、
「私と神様との問題だ」。
ガーンと、殴られたような衝撃だった。
世界中の宗教、それがもたらす争いの歴史、その根深い問題は現代も後を絶たない。その教えは、どんな宗教でも正しいに決まっている。人間の道徳に基づく倫理で、どの宗だって根源はたいして変わらないだろう。
問題は、その集団性にあるのだと思う。国単位、宗教単位で考えるからこそ、争いが生まれるのだろう。
信仰というものは、もっと純粋で孤独であるべきなのではないかと思う。
私が今、どんな食生活を送ろうとも、他の人に強制も共有もしたいと思わない。
私がたまたま、自炊で暮らす環境に恵まれているだけの話である。