日々の出来事 〜Diary〜
#337 きまぐれ旅日記(3) 2008年07月22日(火)14時47分
法隆寺へ行くと言ったら、知人が一冊の本を貸してくれた。 『木のいのち 木のこころ』(新潮文庫)。最後の宮大工・西岡常一と、その弟子・小川三夫、そして鵤工房について綴られた聞き書きの本である。 読みながら、感動で胸がいっぱいになった。木と向き合うこと、人間と向き合うこと、自分と向き合うこと。「修行」という言葉が、これほど実感として伝わってくることが皆無となった現代にこそ、心に迫るものがあるのだろう。 改修中のため、金堂は参拝できない。が、その代わり普段非公開の釈迦三尊像が、上御堂に移されて見られるという。うん、やっぱり法隆寺といえばこの像だ。教科書に載っていたのかな。美術書に載っていたのかな。何度も何度も見たことのある、馴染みのお顔。不思議な気持ちだ。 上記の本を読んだせいで、柱の1本1本に吸い込まれるようだ。壁を見ても、天井を見ても、その歴史に圧倒されてしまう。1300年という歳月が現実と繋がっているなんて、本当に驚きだ。エンタシスと呼ばれる、中央が膨れている柱も、何となく神秘的な雰囲気を醸す。 想像以上に柱という柱には無数の亀裂が・・・。そこを細かく木で埋めたりクサビを打ったりして修復しているのも、ただ訪れていたら気にも止めなかったのかもしれない。 人の手と、信仰と情熱が、この寺を守り続けてきたのだナァ。 法隆寺金堂は世界最古の木造建築物。 東大寺金堂は世界最大の木造建築物。 近頃私は、海外に行き過ぎたようだ。反省しきり。 3時間ほどかけてゆっくり境内を歩き、大満足して法隆寺を後にする。一路神戸へ向かう。
|
■今日 □表示中
|