日々の出来事 〜Diary〜

#333 傘がない

2008年07月14日（月）03時59分

ずっと使っていた傘の骨がとうとう折れてしまった。
普段からあまり探し物をしたことがないのだが、落し物もしない。この傘は6年間使った。6年前、ある店にいた時に雨が降り出して、忘れ物の傘をいただいたものだ。
ついに傘を購入。
壊れた傘の方は捨てる。
江戸時代なら、古傘問屋が回収してリサイクルしたんだろうナァ。いかけ屋だって紙くず屋だっていて、徹底してモノを使った。灰だって排泄物だって、髪の毛だってミカンの皮だって回収していたのだから、究極のエコの手本。世界一の環境先進国だった。
燃料費高騰で廃業に追い込まれる漁業者や、食品の偽装表示などのニュースが世間を騒がせているが、今さら何を騒いでいるのか。
先人の知恵を捨て、伝統を捨て、簡易なもの、便利なものを求め続けてきたのがこの国だ。
気候や地盤を考慮しない西洋風？住宅に住み、職人を無視し、工場をアジア諸外国につくってきた結果が、この1000円の傘である。Made in China。これが日本製で、1万円もするのなら、1本の傘を大事にしようと思うのだろうか。
ここに来て大騒ぎする以前に、1リットルのミネラルウォーターよりも1リットルのガソリンの方が安いことにこそ、疑問を持たなければならなかった。日本中どこへ行ってもマグロが食べられることがオカシイと思わなければならなかった。世界一良質なトイレットペーパーが、何百円かで買うことが出来ることに、感謝しなければならなかった。
サミットが終わったので、さっそくTVCMでのエコエコの呪文も下火となっているようだ。
無駄なパフォーマンスは捨てて、どうぞ今度はオリンピックへ走ってください。