日々の出来事 〜Diary〜
#218 思わず書いた本当のこと 2007年04月22日(日)03時01分
歌い手の仕事とは、どうしようもなく人間であらねばならない。
それは日々の生活であって、きれいな言葉を重ねることではない。 人生や愛を、口にすることを戸惑わなければならない。 美しく着飾ることではない。 相手が年下だからといって、上からモノを言ってはいけない。 相手が年上だからといって、バカにした形容をしてはいけない。 お客をイジってはいけない。 正義をふりかざしてはいけない。 「お涙ちょうだい」で訴えかけてはいけない。 伝えたいことをフォルテで歌ってはいけない。 詩をつくることを軽んじてはいけない。 音楽を軽んじてはいけない。
芝居も同じであるが、大上段に構えて上から正義をかざす時代は過ぎ去った。 団塊の世代の痛みを分けあって、傷を舐めあうがいい。
日常というものは、もっと情けなくて、迷ったり、間違ったり、虚栄心があったり、反省したり、小さなことで喜んだり落ち込んだり、それでもけっきょくダメだったり、人の目を気にしてみたり、やっぱり素敵な人に憧れたり、なんとかやっていけそうだと思ったり、もうアカンと思ったり、この人はイヤだと思ったりこの人は好きだと思ったり、何が正しいのか分からなかったり、実は自分は正しくなかったりして。
私はどうしようもないほどにダメな人間の代表で、こんなことくらいしか出来ないから歌という手段を選びました。 昔で言う役者や芸人という言葉と共に、「修行」ということも、歌の世界では使われなくなってきました。 「うまいことを言う人に気を付けよ」という父の教えは、歌の世界にも繋がっているような気がします。
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