日々の出来事 〜Diary〜
#187 シャンソン考 2006年12月04日(月)11時09分
何故シャンソンなのか、最近やっと答えが出せそうな気がしている。 ある人のリサイタルに行って、作業のベクトルがまったく逆なことに驚いた。 普段着られないドレスを着て、普段しないメイクで、日常と全くかけ離れた愛や人生を歌う。そう、非日常への憧れなのだ。シャンソン歌手と言われる人がやりたいステージの典型だった。 私は、というと。 前回書いたように、歌がだんだんと自分に近づいてくるという楽しさにとり憑かれているようなもので(いや、実際は自分が歌に近づいているのかもしれないが)、それが数週間で実現する曲もあり、何年もかけて100回歌ってやっと身の丈に合ってくる曲もある。 自分のわかった範囲のことしか歌えないと思っているし、過去の体験を思い出したりかき集めたりして歌をつくっていくのが、歌の醍醐味だと考えている。 手で触れたこと、目で見たこと、耳で聞いたこと、愛したこと、別れたこと、喜び、悲しみ、傷つき、笑い、癒されたり、孤独だったり・・そんなごく普通の日常や体験を歌いたいのだ。絵空事の言葉をいくら並べても、共鳴など生まれようもない。
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