日々の出来事 〜Diary〜
#168 パリのお天気は 2006年10月07日(土)01時25分
パリの最終日は雨だった。 それまでの、シャルトル、ロアール、モンサンミッシェル、サンマロでも晴天。地平線を見せながら、広大なフランスの牧草地では牛がのんびりと草を食んでいた。急いでいるのは私たち観光の人間だけだ。 パリでもルーブル、やっぱり乗りましたセーヌのクルーズ、ずっと晴れ女の実力を見せつけたと思っていたのに・・・。 今まで日中は暑いくらいだったのが、あわててセーターを着る始末。 もっとも、パリには雨がよく似合う。雨量は多くなく、ときおり止んだりまた降りだしたり。シトシトパラパラといった状態が終日続く。傘をさす人、フードをかぶる人、襟をかき合わせて足早に歩く人。 私も折りたたみ傘をさしたりたたんだりしながら、行きたかったピカソ美術館へ。ものすごい創作のエネルギーに圧倒されて、午後はモンマルトルをうろうろ。パリはどの路地に入っても美しい。 夕食は地元の人で賑わっている古いビストロへ入り込み、メニューと格闘。 このフランス語の手書きのメニュー、殴り書きのようで一見まったく読めないし、従業員も英語があまりわからない様子なので、もう降参して席を立ってしまおうかと思いつつもう一度メニューを凝視しているうちに・・あら不思議。落ちこぼれながら通ったフランス語の学校での授業がやっと役立つ時が来たのか、おぼろげながら料理のカタチが見えてきたじゃありませんか。 デキャンタでハウスワインを頼み、オードブルにはトマトとマスカルポーネのサラダ、豚のテリーヌ。メインのタルタルステーキを食べ終わるころには店内は満席の男女で埋めつくされ、それぞれが交わされる会話のボルテージは最高潮に達したのであった・・・。 それにしても、モンマルトルのBateau Lavoir(バトー・ラヴォワ)はよかった。ピカソ、ゴッホ、ブラック、モジリアーニ、ユトリロなどが住み着いた貧相なアトリエの跡だ。面々と続いている芸術の歴史が感じられて、やはりフランスに骨抜きにされて帰国の途についた。
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