不定期更新!?藤原素子の日記帳です。

日々の出来事 〜Diary〜

#161 白川郷
2006年09月06日(水)00時52分
遅い夏休みのつもりで小旅行に出かけた。
結婚して安城に住む姉とふたりで向かったのは白川郷だ。
「東京から一番遠いところ」とのことだが、確かにどうやって行けばいいのかわからないくらい縁がない。
調べたところ、名古屋から高速バスが出ているらしい。宿は合掌造りの民宿を予約した。
品川を発ってから半日。いったいこれが同じ国の風景だろうか。
なんというのどかさ。空気が澄んでいるせいか、山も草木もハイビジョンのようだ。これが日本の原風景というものなんだろう。
そして合掌造りの緻密さ。まさに世界遺産に値する。
過酷な環境だからこそ、自然と共生する手段を選ばざるを得ない歴史があったのだろう。周辺には過疎に苦しみダムに水没した村もあったとのこと。自然との戦いは、1勝10敗といったところか。白川村は周辺の悲しい歴史があるぶん美しい。世界遺産については各地で賛否意見があるようだが、やはり「永遠」というものを願いたくなる風景だった。
ただし、宿泊した民宿にはがっかりした。
昼間観光して、開放している家、神社、資料館など、案内や説明をしてくれている人皆が、この村を愛しているのが伝わってきてシアワセな気分だった。
宿ではビールでも飲みながら、昼間の余韻を楽しみつつ、くつろいだ夕食をとるつもり。そこへ乱入してきたのがこの宿の主人だ。
ビデオ鑑賞から始まって、世界遺産が日本にいくつあるかのクイズから、白川村の説明エンエン。あげくの果ては、他のテーマパークの非難。極めつけは2階に上げさせられて、作り物の囲炉裏の舞台でひとりずつスピーチしろという。
思いが溢れているのはわかるが、大の大人に強制するようなことじゃない。まったく人を馬鹿にしている行為でしかない。
芝居でも歌でも、いいものを提供できればそれでいいわけで、他に説明はいらないと思っている。聴衆を信じていなければこそ、過剰なサービスをしたがるものだ。
不信からは何の感動も生まれない。


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